ステファニー A. アーチック
2024-2025年度 国際ロータリー会長


喜びをもたらそう

 私は、所属クラブである、ペンシルベニア州マクマリー・ロータリークラブ(RC)の例会に出席するときはいつも、笑顔で部屋に入ります。

 数年前、ある会員が遅れて例会にやって来ました。その時、私たちは遅れたことをとがめるのではなく、拍手で迎えました。以来、私たちのクラブでは、例会に来た会員を拍手で迎えるのが新たな伝統となっています。誰でも拍手で迎えられたら、自然と笑顔になってしまうものです。

 友好的で活気にあふれ、何よりも楽しいクラブほど、会員の積極的な参加と維持が図られます。

 皆さんがロータリーに入会した理由を思い出してみてください。たぶん奉仕プロジェクトや職業的なつながりだけではなかったでしょう。親睦、一緒に笑い合うこと、共通の目的のために活動する喜びといった「人とのつながり」が入会理由にあったのではないでしょうか。だからこそ、 私たちは例会に行くのです。

 例会に喜びを求めているなら、ご自身や仲間に少し難しい質問を投げかけてみましょう。「もし自分が入会候補者だったら、今の自分のクラブに入りたいと思いますか?」。これは核心を突く質問ですが、ここで問いを止めてはなりません。

 「クラブの会員は帰属意識を感じていますか?」「例会は楽しいですか?」「楽しくないのであれば、みんなでどう改善できるでしょうか?」

 次回の例会や行事では、もっとみんなの笑顔を引き出せるよう、何か新しいことにチャレンジしてみましょう。末永い絆を築き、魅力的なクラブとなるには、シンプルなことから始めればよいのです。

 これを着実に実践しているクラブの例を紹介します。福島RCでは、2021年以来、楽しく環境問題に取り組む活動を続けてきました。スポーツとごみ拾いを組み合わせた「スポGOMI大会 in ふくしま」です。昨年は400人以 上の参加者が元気良くこのイベントに参加し、より良い地域社会づくりに取り組みました。

 このイベントは、クラブが楽しみながら変化をもたらし、同時に世界規模の問題への認識向上を図っている素晴らしい例です。インクルーシブで家族向きのイベントでもあるので、全ての年齢層の人が参加できます。

 私たち自身が楽しめば、そのエネルギーが他の人にも伝わります。これこそ、新会員を引き付け、クラブを元気にし、会員の参加を促すための鍵であり、帰属意識を培う上で大事なことです。

 会員維持とクラブ文化は表裏一体です。クラブ文化が健全であればあるほど、会員がクラブにとどまる可能性が高まります。ロータリーの雑誌は、クラブの文化を向上させ、会員の参加を助長する上でのインスピレーショ ンにあふれています。雑誌で紹介されている他のクラブの成功例や方法から学び、皆さんのクラブで生かせるアイデアを見つけてみましょう。

 私たちは共に、会員一人一人が誇りを感じられるような、参加型で楽しい、インクルーシブなロータリーをつくることができます。「ロータリーのマジック」を発揮し、新たなる参加意欲と熱意を持ち続けていきましょう。


会員増強・維持に関するリソースは、rotary.org/membership をご覧ください。


(RI指定記事  提供 : ロータリーの友 )
2025/01/01